夏祭りの夜。
浴衣に着替えてワクワクしながら祭り支度をしている孫達に、うちのじいちゃん(九州男児74歳)が半ギレ気味に釘をさした。
[st-kaiwa-3770]お前たちゃ~、も~う今年は金魚はすくって来んちゃ良かぞ
(※今年は金魚をすくって来てくれるな)[/st-kaiwa-3770]
言われた子供達は、『金魚すくいせずして祭りと言わず』と言わんばかりの大ブーイング。
しかし、孫達が毎年祭りの度に金魚をすくって来ては自宅に持って帰らず、帰省先のじいちゃんちに置いていくために年々金魚は増えていく。
玄関先は水槽だらけ。。
せっかく可愛い孫がすくってきたからと、毎日せっせと金魚を世話してきたじいちゃんも、今年はついに孫達に引導を渡しました ^^;
そうして毎年、必然的に増えていく金魚達をお世話してきたために、うちのじいちゃんの金魚飼育の腕は磨かれて、短命と思われがちの金魚すくいの金魚たちがとても長生きしています。
そんなじいちゃんから教わった、金魚の飼い方の簡単な秘訣をお伝えしていこうと思います。
水道水のカルキ抜きをしよう
カルキ抜きの仕方
当然のことながら、前もって既に金魚を飼育していない限り、カルキを抜いた水の準備はされていないと思います。
ホームセンターや100円ショップにもカルキ抜き錠剤は売ってありますが、自宅で簡単にカルキを抜く方法が2つあります。
- 水道水を半日から一昼夜おいておく
- もしくは、水道水の中に、純粋なビタミンCの飴をちょっと入れる
(飴を水の中に入れて、2~3回、指でちょっとこすってやる程度で可。
(※溶かし過ぎや、甘すぎるビタミンCの飴に注意!逆に金魚が弱ってしまう原因になります)
②の方法はかなりの衝撃の方法ですが、以前NHKのあさイチで、金魚を研究されている先生がアドバイスされていました。
これでカルキが抜けるなんて驚きの手法ですが、飴のチョイスを間違うと金魚は死んでしまいますので、初心者の方は①の方法がオススメです。
金魚を塩水浴させよう
塩水浴の水の作り方
次に、塩水浴の準備です。
金魚すくいの金魚は特に、狭い水槽にわじゃわじゃと入れられて、沢山の祭り客からポイで追い回され、時には小さい子供達からかき回されたりとストレスを受けまくっています。
そんな極限状態で心身ともに疲弊している金魚たちの身体を、ICU(集中治療室)で治療してあげましょう。
それが『金魚の塩水浴』です。
金魚の体内の塩分濃度はおおよそ0.5%。
その体内浸透圧と同じくらいの濃度0.5%の塩水に入れてあげると、身体の浸透圧の調節が楽になり、金魚の体力回復が見込めます。
カルキを抜いた水道水に食塩を1リットルに付き5g(小さじ1)入れてかき混ぜるだけです。
水の量は、金魚一匹あたり、1.5リットル以上は欲しいところです。
水合わせと塩水浴の手順
人間だって、冷たいプールにいきなり飛び込むと心臓がびっくりして危険だと言われますよね。
金魚も同じで、特に金魚は人間以上に温度を敏感に感じ取ります。
なので、いきなり作った塩水に入れるのではなく、徐々に新しい水に慣らす『水合わせ』をしながら水槽に入れてあげましょう。
- 水槽(器)の水の中に金魚の入ったビニール袋をそのまま入れる
- 20~30分ほど放置(するとどちらも大体同じ水温になる)
- 10分置きくらいに、ビニール袋に少~しずつ、2~3回に分け水槽の水(もしくは塩水浴の水)を加えてやる
- 静かに水槽(もしくは塩水浴用の水槽)の中に金魚を移す
また、水合わせは普段の水槽の水換えにも適用すると、なお良いでしょう。
金魚の餌のやり方
連れて帰って来た日から2~3日間は餌をあげないで下さい。
ストレスとダメージを受けた金魚たちは、集中治療室で治療に専念しなくてはならないのですが、餌を食べると消化にエネルギーを消費してしまうので、3日間は餌を我慢させる断食療法で健康な身体に戻します。
そして4日目から一粒づつ餌を与えてげみましょう。
食べたら少しずつ増やしていきますが、要量以上には上げないで下さい。
金魚の飼育はポンプ(ブクブク)なしでも大丈夫
「ブクブク無しじゃ、金魚が酸欠になって死んでしまうんじゃないか・・・」
そのように心配になられる方も多いと思いますが、そもそも金魚は時代劇でも金魚売りが登場しているように、その当初から庶民に親しまれていたペットです。
そんな時代に酸素のポンプ(エアレーションと言います)なんて無かったですよね?
それでも江戸時代の人達も、現代と変わらず金魚を飼っては楽しんでいたはずです。
となると、ブクブクのポンプなしでも大丈夫!
そのコツとポイントをまとめてみました。
ポンプの役目と必要性
水中の生き物も、もちろん酸素無しでは生きていけません。
水中の中に溶けている酸素を吸って生きているので、ポンプは水中に直接酸素を送る役目を担っているわけです。
しかし普通にしていても、水面と空気が接触するだけで水中に酸素は溶け込まれるため、よほど狭い水槽に多くの金魚を飼わない限りは、水中の酸素が不足することはないと思います。
水を酸素不足にしないポイント3か条
- 1匹あたりの水の量は多ければ多いほど良い
(水槽内の金魚の数が多いと、酸素不足になる確率が高くなります)
- 水槽は出来るだけ気温差の少ないところに置く
(気温が高くなる夏場は、水中の酸素含有量が少なくなりやすいため、出来るだけ涼しいところに置くとなお、良いです) - 水草などを水槽に入れてやる
(水草は光合成を行い、水中に酸素を出してくれます)
まとめ
沢山のコツとポイントを記載しましたが、うちのじいちゃん曰く、金魚の飼育の究極のコツは
ズバリ
「愛情」
だそうです。。。^^;
驚くことに、じいちゃんが水槽に近づくと、金魚たちは餌がもらえるんじゃないかと(喜んで)寄って来ます。
餌をやる時には決まって(九州弁で)話しかけてるんだとか。
餌や居住空間を正しく準備してあげた上での重要なポイントがこれ。
どんな生き物の飼育も、長寿の秘訣は飼育する側の計り知れない愛情パワーなのかもしれませんね。