秋も深まってくると、公園や通勤通学路、森や林の中で、可愛らしいどんぐり達を目にする機会が増えてきます。
大人ですら落ち葉の中にひょっこり顔を出すどんぐりを見つけると、ちょっとテンション上がりませんか?
これが小さな子供だったら、喜び勇んでポケット一杯にドングリを詰めて帰ってくることでしょう。
しかし、子供達が喜んで沢山拾って来たどんぐりも、大半は「どんぐり虫の恐怖」から、即座に捨ててしまうママも多いのでは?
工作に使うにしろ、量はたかが知れてるし。。。
と、なれば、。。。今年はどんぐりを食べてみませんか?
ドングリは、日本でも縄文時代から食料として食べられ、中世以降も、飢餓や食糧難の際の非常食としても食されてきた食材の一つです。
子供達と一緒に秋を堪能できる折角のチャンスなので、今年は『陰の秋の味覚・どんぐり』を食してみましょう!
食べられるどんぐりの種類は?
一口に『どんぐり』と言っても、その種類はかなり豊富です。
日本に自生するものだけでも20は軽く超えますが、食べられるどんぐりの種類は何かと問われると・・・答えはズバリ、
全部 食べられます ლ(´ڡ`ლ)
しかし、ほとんどのドングリにはアクの主成分となるタンニンが多く含まれているので、生食に向くのは
- タンニンを含有していないスダジイ
- タンニン含有量の少ないツブラジイ、マテバジイ
が適しています。
プリっと美味しそうだな 🙂 とむやみやたらに拾ったドングリをかじって見たりすると、生渋柿の2.5倍のタンニン攻撃に見舞われることにも成りかねませんので、要・注意です。
そのお味はいかに!?
では、生食に向く代表3種を生で食してみましょう。
スダジイ
甘み | |
香ばしさ | |
粉っぽさ |
ツブラジイ
甘み | |
香ばしさ | |
粉っぽさ |
マテバジイ
甘み | |
香ばしさ | |
粉っぽさ |
これらのドングリは生食が可能ですが、さらに軽くフライパンで炒って食べてみると、香ばしさとモチモチさが増します。
また上からぱらりとひとつまみ塩をふりかけると、素朴な秋の味を堪能できます。
どんぐり粉を作ってみよう!
上で記したように、とにかくアク抜きさえすれば、食べられないドングリはありません。
上記の椎の実の他にも、カシワ、クヌギ、コナラ、ミズナラ、アベマキなど、軽く20種を超える木の実(どんぐり)がありますが、最高タンニン含有率のミズナラの実ですら大丈夫です。
手間のかかる作業ではありますが、一度チャレンジしてみましょう。
どんぐり粉の作り方
step
1どんぐりを水に漬ける。
浮いたものは虫の食ったものです。
沈んだものだけ使いましょう。
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2殻をむいて、数日天日干しする
可能なら2週間程度が好ましいです。
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3乾いたどんぐりをミキサーで粉にする
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4サラシに挽いたどんぐり粉を入れ、水に3時間漬けアクを抜く
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53時間後、水の中でサラシごとどんぐり粉を揉む
すると水が茶色になります。
これがどんぐりのエキスであるデンプンを含んだ水です。
(但し、サラシの中のカスは絞りきり、捨てても可)
step
615~20分くらい放置する
するとデンプンが下に沈殿し、上の上澄みと2層になるので、上澄みを捨てる。
※このときに絶対に沈殿物は捨てないこと。
上澄みにのみに渋み成分のタンニンが混ざっています。
step
7上澄みを捨てたら、沈殿物の4倍ほどの綺麗な水を入れてかき混ぜる
するとまた沈殿物と上澄みとに別れるので上澄みのみ捨てて下さい。
step
8⑦の作業を3~4回繰り返す
すると上澄みが透明になっていき、アクが抜けていきます。
step
9程よく透明になったら最後にもう一度上澄みを捨てる
そして沈殿物を料理バットなどの平らな容器に入れる
step
10天日干しで乾燥させる
カチコチに固まるまで数日待ちます。
step
11カチコチに固まったら、どんぐり粉を茶こしで濾して粉末にする
お疲れ様でした!
これで香ばしいドングリ粉の完成です。
冷凍庫に入れると長期保存も可能ですよ。
どんぐり粉を使ってヘルシー料理
完成したどんぐり粉はどんな料理にも活用できます。
そのままお湯に溶いて飲んでも良し。
また、小麦粉料理だったら何でもイケます。
子供も喜ぶ、パン、ホットケーキ、クッキーにお好み焼き、麺類にも変身できます。
分量はレシピ内の小麦粉の分量を、お好みで10~40%位までをドングリ粉に変えればいいだけです。
しかし、
「手間暇かけてどんぐり粉を抽出したのに、量がわずかだった~」
と嘆かれている方がおられるとすれば、通販でも手に入ります。。
今年は一味違った秋のヘルシー料理を楽しんで下さいね^^
まとめ
どんぐりは日本に置いては飢饉や戦後などの食糧難時代に食用として食べられてきましたが、近年ではその高い栄養価に注目されてきています。
中でもどんぐりの中に含まれる「アコニック酸」が体内の重金属などの有害物質を排除してくれるデトックス効果があるとされ、自然派健康食品として見直されてきたのです。
身近に落ちているドングリがこんなスーパーフードだったなんで驚きですね!
楽しく拾ったどんぐり達を、今年は美味しく食して深くなる秋を堪能してみましょう。