可愛い可愛いカブトムシの幼虫ちゃん。
去年の夏に採取できた、たった2つの卵を無事に孵化させることができ、冬の間も小学生の長男と一緒に大事に育ててきたカブトムシの幼虫の2匹でしたが、6月に入り飼育ケースを覗いてみると、
あれ?
土の上に出てきてる・・・
幼虫が2匹共、ひょっこりとマットの上に出ていて動かない。
しばらく見ていましたが、一向に土に潜らない。
おかしいなぁと思い、マットを10センチ位掘って、その穴に幼虫を入れてから再び土をかぶせてやりました。
しかし翌日、ケースを覗いてみると、
やっぱり土の上に出てきている ∑(・ω・ノ)ノ
気になって息子のカブトムシ飼育bookを見てみると、これがカブトムシ幼虫のSOSであることがわかりました。
これから、私と息子(小1)のカブトムシ幼虫の救出劇を一部始終を記すとともに、危険な状態の見極め方と対処方法をお教えしたいと思います。
土の上に出てくる要因
カブトムシの幼虫の大事な住処である土(マット)の中から幼虫が逃げ出してしまうという事は、その土(マット)の中が居心地が悪いという事です。
その要因の可能性のあるものを一つ一つチェックしていきましょう。
マットの汚れ
マット(土)が糞まみれではありませんか?
長い冬眠期間から目覚めた幼虫は、ふたたびモリモリと食料である土(マット)を食べ始めます。
なのにマットが糞まみれで、餌である土が少なくなると、お腹をすかせて土の上に出てくることがあります。
特に多頭飼いなどをしている場合は、究極にお腹が空くと共食いしたりもしますのでマット交換をしてあげましょう。
マット内にガスが発生
マット交換の際に、ガス抜きはしましたか?
最近は、幼虫が大きく育つように栄養価の高い発酵した腐葉土を手軽に購入できるようになりましたが、よく発酵したものは匂いもキツイですよね。
そのようなマットはガス抜きを忘れると、再醗酵してしまいガスが発生する場合があります。
新聞紙等を敷いた上にマットを広げて、日陰で半日~2、3日程天日干ししてあげるとガスが抜けます。
やってみましょう。
マットが高温
マットがポカポカしていませんか?
飼育ケースに日が当たってしまっていたり、上記 ↑ のように土が発酵して温度があがってしまったりすると暑すぎて、幼虫たちがマットからの脱出を試みることがあります。
ガス抜きしたり、涼しいところに置いたりしてクールダウンさせましょう。
マットの乾燥
マットが乾燥しすぎではありませんか?
ある程度の乾燥は大丈夫ですが、もうおが屑並みにパサっパサだと水分不足です。
霧吹きで充分に表面を湿らせてあげましょう。
そして6月や7月に出てきてしまっている幼虫は、マットが余りにも乾燥しすぎているために、蛹室(幼虫が蛹になる部屋)を作れずに出てきてしまっていることが多いです。
至急、対処しましょう。( ↓ 詳細は下記の項目で)
ケース内の幼虫数の過密
飼育ケースの中に、幼虫を多く入れすぎていませんか?
理想とされるケースに対する幼虫の数は、
Lサイズの飼育ケースに10Lの土、それに対し幼虫5~6匹程度 が理想です。
※それ以上多くなると、食べる土の量が減り、小さなカブトムシの成虫になったり、共食いをして幼虫の数が減ってしまったりする恐れがあるので注意が必要です。
幼虫達も、長い地中生活ですから、伸び伸びと暮らしてほしいですもんね。
そして5月下旬以降は幼虫が蛹室(ようしつ)と呼ばれる蛹になる部屋を作り始める時期になります。
幼虫は自分が出した糞を用いて、硬く強固に蛹室を作り上げていくのですが、幼虫同士は互いに蛹室がぶつかり合わないように、幼虫同士にしか分からない音波で互いに場所を教え合うそうです。
その為、ワンダリングと呼ばれる『蛹室作りに適した場所』を見つけようと、マットの中や上をモゾモゾと這い回る行動をします。
これがもし、5月下旬から6月7月にかけて幼虫が動かないままで、土に潜ろうともしない様子であれば、もうそれは明らかに、幼虫が土の中での蛹室作りを諦めてしまった確率が高いです。
土の中に戻らない場合の対処法
よって、冬眠から目覚めて6月7月頃に土に潜らないのであれば要注意
- 時期が6月7月に入っている
- マットの上からほぼ動かない
- 身体がCの字ではなく、Iの字のように真っ直ぐになってきた
- ハリが無くなり、シワシワになってきた
- 体の色が茶色(飴色)になってきた
↑ 上記の項目が全て当てはまるようであれば、もう幼虫は自力で蛹室を作ることが出来ません。
このまま放置してしまうと、高い確率で土の上で蛹になってしまいます。
「土の上で蛹になったんだったら、もう仕方ないか~」
と悠長に構えていたらダメ!
それは何故かと言うと、幼虫が蛹から脱皮して成虫になる時(羽化)が重要だからです。
蛹が脱皮(羽化)する時、硬く押し詰められた蛹室の壁に前脚を引っ掛け、フンッと踏ん張って、お尻を浮かせながら中脚と後脚を器用に使って羽の部分の皮を脱ぎます。
そして少しよじ登った所で上翅下翅をぱさ~っと広げ、暫くの間、翅を乾かします。
つまり、蛹が羽化する際には、
壁に前脚を引っ掛けてお尻を浮かし脱皮したあと、翅を乾かす事の出来る縦長のスペースが必要なのです。
空間がないと、羽化不全と言って、蛹が上手く脱皮できず、脚や翅が奇形になってしまうケースがあります。
(※私が多頭飼いに失敗した際に、蛹室が狭かったカブトムシの幼虫は、羽化不全で翅がしわくちゃになっていて、翅を広げることが出来ない、飛べない成虫として生まれてしまいました…本当に可哀想な事をしました…)
なので、チェック項目に全て当てはまれば大至急、人口蛹室を作って蛹を入れてあげましょう!
人工蛹室の作り方
人工蛹室の作り方にはいくつか方法があります。
- そのままの土(マット)を利用する
- オアシスを使う
- トイレットペーパーの芯を使う
- 人工蛹室のキットを買う
私は1と2の方法で人工蛹室を作り、無事に2匹とも羽化させることが出来ました。
①そのままのマットを利用する
- マットを握ったら少し固まる程度に水分を含ませる
( ↑ 写真ではちょっと水が多すぎました…(_ _;) - これでもか!と言うくらいにギュウギュウに土を押し固める
- 直径5センチ、高さ10~12センチ程度の円筒状にスプーンで穴を掘る
- 穴の内部を指で滑らかにする
- 蛹をそっと入れてやる
※ペットボトルやケースの側面に穴を作ると、羽化の様子が観察できますよ 🙂
②オアシスを使う
生花のアレンジメントでよく使われる黒板色の緑色の個体です。
ホームセンターや100均などでも購入できます。
- オアシスにトイレットペーパーの芯を縦に押し込む
- 芯をそのまま引き出して、その型通りにスプーン等で穴を掘る
- 穴の内部を程よく湿らせて、指先でなめらかにする
- 幼虫をそっと入れてやる
- オアシス自体は、軽くて穴も掘りやすく、加工しやすいです。
また、オアシスの表面はザラザラしているので前脚のひっかかりが良く、蛹が羽化するには素材的におすすめです。
③トイレットペーパーの芯を使う
トイレットペーパーの芯の大きさは、ちょうどカブトムシの蛹室のサイズに似通っています。
内面がつるつるしている為に、前脚の引っかかりが悪いので、少し湿らしたキッチンペーパーなどを内側に敷き詰めて、底はちょっと厚めに敷いてあげるといいでしょう。
倒れたりしないように、マットの中に埋め込むとか、周りに新聞紙やビニール袋などを入れるなどしてきちんと固定してあげましょう。
④人工蛹室のキットを買う
今ではこんな便利なものまで通販で買えるんですね。
壁面がスポンジですので、水分の含ませ過ぎに要注意です。
まとめ
以上が、カブトムシの幼虫が土に潜らず土の上でじっとしている場合の原因と対処方法です。
- マットの汚れ(糞まみれ)
- マットにガスが発生している
- マットの温度が高い
- マットの乾燥
- マット内の幼虫の数の過密
以上の事項に気をつけて、もし蛹になる前のようでしたら人工蛹室を作って入れてあげましょう。
人工蛹室ですと蛹の様子も観察できますし、羽化の時間が合えば神秘的なカブトムシの羽化の様子を見ることが出来ます。
子供さんと一緒だと、それはそれは感動の一瞬です^^
今年が感動の夏になりますように。